建築図     
     (けんちくず)

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 金弘道(キム・ホンド)は、働く人がどんな道具や材料をもって、何を作っていくのかを正確に描いている。
  これは、近世以前の画家としては、ごく珍しい態度といわねばならない。
  画面中央の直立した太い柱、それに三角形の屋根、まことに明快な構図の中で、人々が家を建てるという一つの目的をもって有機的に働いている。
  この画では、すでに棟から軒に垂木をかけ、その上に板を敷いて、まさに瓦を葺こうとしている。
 屋根から縄で引き上げようとしているのは、瓦の下に敷く粘土の塊だ。
 瓦職人は、瓦を敷くまえに、景気よくそれを投げ上げては、自分の仕事に活気を与えている。
 下では、カンナをかける人、柱の横に立つのは大工の棟梁であろうか。重しをつけた糸で柱の傾きを点検してしている。
 長い杖をもって工事を見守る人物は、この家の注文主であろうか。画面右下の朝鮮独特のノコギリと手斧にも注意されたい。
 このように金弘道は、政府の図画省の画員として伝統的な絵も描いたであろうが、その他に働く人々の生活を活きいきと描き出すことにより、わが国の人物画や風俗画に革新的な新しい模範を作り出した。
  彼の画は、後につづく画家たちのために創作上の活気を与えたのである。
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