2017.07.01 民族の美5
     青磁象嵌雲鶴丸文梅瓶
(せいじぞうがんうんがくまるもんめいびん)

    s-img014.jpg

 中国の青磁が均衡のとれた典雅な美しさを誇るとすれば、高麗の特色として柚色の美しさと、細工の精妙さとともに、中国の陶磁器に見られない「象嵌青磁」の発明と完成である。
それでは象嵌青磁とは何であろうか?

 1. 胎土はいくらか鉄分を含み、灰色に焼きあがる土を使い成形する。
 2. 成形してから、まだ生乾きのうちに、鋭い刃物で文様を彫りつける(普通は陰刻)。
 3. 彫った文様の窪んだ部分に純白の土と赤土をうめこむ。そして、ほぼ乾いたところで器面を平滑にならす。
 4. こうして象嵌の文様ができたら、一度窯に入れて焼く(素焼き)。
 5. 焼きあがった器に青磁釉をかけ、乾かして再び焼くのである。

 このような手法で、始めは高麗文人の好みに合わせ、素朴な線で柳の木と、その上の白雲、そして柳の木陰の池に遊ぶ水鳥などの文様が描かれた。
 この技法が13世紀に至り、完成の域に達したのが上の作品。右肩から左下に並ぶ丸文の中の鶴は雲に乗り、右上を目指して舞い上がっている。そして、丸文の外に飛び交う鶴は右下を目指して舞い降りようとしている。
 ここでも二つの同じ要素の反復が一つの大きな総合体となって、芸術作品を作り上げている。
Secret

TrackBackURL
→http://tei1937.blog.fc2.com/tb.php/516-e1e60ed6